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駄目人間の偏った日常を綴るブログです。
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 この間、黄金バット(1966年度 白黒映画作品 監督:佐藤肇 出演:千葉真一他)なんかを観たワケですが、自分はこの手の歴史の重なり合ったコンテンツを見つけると、どうしてもその上っ面を舐めてしまうので、今回は日本の紙芝居から立ち上がった二大コンテンツの紙芝居部分についてのメモを載せてみます。

■ 黄金バット
 元は紙芝居時代のピカレスクものの主人公「怪盗黒バット」このスーパーヴィラン黒バットの物語を終了させるために作られたヒーローが黄金バットであるという説が主流。その後人気が出たため、黄金バットが主人公の物語が作られていった。黄金バットの姿は「永松健夫(大元の原作者)」版、「加太こうじ」版で違うらしい。

 永松健夫版(戦前):ハゲ髑髏、赤マント(その他詳細不明)
 永松健夫版(戦後):顔面髑髏、つば広帽子、ロン毛、赤マント、緑の中世っぽい服
 加太こうじ版:顔面髑髏、ハゲ、赤マント、緑の中世っぽい服だが胸飾りなどが地味
 加太こうじ版(GHQ指導時):金の仏像顔、パーマをかけた髪の毛(その他詳細不明)
 (また1950年の白黒映画「黄金バット 摩天楼の怪人」は大仏顔という記述もあった)

※ デザイン変遷についての詳しい記述を発見できなかったので真偽及び詳細は不明
 
▼ 悪役について
 初期:怪盗黒バット団一味(黒バット)
 後期:ナゾー(主人公達と闘って両足を切断してしまった黒バットが例のミミズクマスクを
          被り円盤に乗ってナゾーと名乗ったらしい)

▼ 絵物語版の単行本について
▽明々社(後の少年画報社)から出版された単行本(全4巻)
 「なぞの巻」「地底の国」「天空の魔城」「彗星ロケット」
 (桃源社からの復刻版は「なぞの巻、地底の国」をまとめた物と「天空の魔城、彗星ロケット」をまとめた物の全二巻。巻頭イラスト部分等が省略されているらしい)
▽単行本未収録(?)
「科学魔篇」「アジアの宝冠(アラブの王冠?)編」(その他あるかもしれないが詳細不明、他に加太こうじ版でナゾー編というのもあるらしい)

大空社から紙芝居が復刻されているとのこと。


■ ハカバキタロー(「墓場奇太郎」「ハカバ奇太郎」とも呼ばれているが詳細不明)
 ご存じ水木しげるの鬼太郎モノの原作。当時の紙芝居はピカレスクか陰惨な復讐譚モノの二択じゃぜ?って感じだったようで、この原作は姑にいびり殺され土葬された母の中から産まれた奇太郎が、母の死肉を喰って育ち、姑から何から一家皆殺にしていくというお話らしい。猟奇極まりないそうで、今の鬼太郎を知ってる自分からすれば、人肉モリモリ、オウイエーとかはちょっと。

 そんな感じで、この原作の方の情報が知りたかったのだが、Web上からはさしたる内容を知ることが出来なかったので、その課程で集めたモノを適当に並べてみます。 

題名:『ハカバキタロー(墓場奇太郎)』
原作:伊藤正美、作画:辰巳恵洋(ケイ・タジミ)版元:富士会
紙芝居の上演期間:およそ1933年 から1935年 頃まで
主人公:魔童奇太郎(詳細不明)

 ハカバキタローの内容については、書籍あたりで語られているかもしれないが、現時点で存在していると思われる作品の情報は、戦前に出版されたらしい小説版についてしか発見できなかった。

▽題名:怪奇秘譚 墓場奇太郎
(出版社及び作者共に不明、タイトルが完全に正しいか不明、戦前に出版された物らしい)

 最近では2004年の第21回銀座古書の市に出品され、好事家に買われていったらしい。購入したと思われる方の記述は確認したが、現時点ではこの書籍に関しての詳細な記述、及び表紙などの図像はネット上には見あたらず。


■ 紙芝居について

 ビジュアルノベルの表現の原点は漫画やアニメーションだが、結果としてできあがった物は非常に紙芝居に似ており、スプライトを入れ替えることで人物の動きや感情を表現する手法は以下にまとめてある立絵式の紙芝居とよく似ている。
(要素的には写し絵でも良いのだが全てが平面的でマットに表現されている部分が自分はなんとなく幻灯式ではない紙芝居を思い起こさせる)

▼ 写し絵(錦影絵?)
 江戸末期のに起こされた、横長の和紙スクリーン(大きさ畳二畳程度)に裏側から木製幻灯器(フロ)で、人物などを彩色したガラス板(タネ板)を投射しタネ板を操作することで動きを表現。それらに鳴り物、口上、セリフを追加して上演(おそらく暗幕を貼った小屋や桟敷などで)した。(幻灯式芝居)

※ また、これ以外に幻灯機を用いたタネ板を使わない影絵だけのものがあると思ったのだが詳細不明。自分の知るところの幻灯機は小型の物で一人(一キャラ)に付き一基。タネ板についてはガラスの物、タネ板を木製の可動ギミックの付いた枠に仕込んだものがあった。幻灯機、タネ板については様々なバリエーションがあると推測される。現在も場所はわからないが上演されているはずである。

▼ 影絵芝居
 明治中期に落語家三遊亭円朝の弟子新三郎が、タネ板を紙に置き換え、切り抜き影絵と合体させウチワ式紙人形を考案。裏表で形が違いウチワを回転させることで人物の動きを表現することができる。これを写し絵同様にセリフなどを追加して写し絵よりもさらにスピーディな表現を確立して大衆の人気を博した。

▼ 紙芝居(立絵:ウチワ式紙人形型)
 大正から昭和の初期に、それまで小屋で上演されていた写し絵を街頭で上演するために、小屋+幻灯機を使った構造から自然光の元で上演できる方式に変更。実際は背景を描いた紙の前で紙人形を操作するといったもの。おそらく平面のウチワ式紙人形であったと思われる。

▼ 紙芝居(平絵:絵話型)
 現在よく知られている紙芝居。登場人物から背景から全て一枚の紙に描き描かれており、場面を演者が語っていくという手法。場面や構図が変わるたびに新しい絵を表示して物語を進めていく。基本的に絵10枚で1話(1巻)を構成していたようだ。100巻を超える物も結構あったらしい。


 動きを持たせる試みは多数のエロゲーで行われていると思うのだが、アニメーション用スプライトを用意して動きを持たせた(Leafの誰彼 -たそがれ-のチップアニメーション、最近だとPLAYM(プレイム)のレイナナあたりか)作品と、立ち絵スプライトを動かすことで動きを表現する作品に大別されると思われる。(こちらが最近の主流か)キャラクターの立ち絵スプライトを左右に移動させたり、上下に動かすことでさらに画面に動きを付けることに成功している作品は立ち絵式の紙芝居を彷彿とさせる。(別枠として完全にアニメーションを挿入する作品もある)
 
 皮肉というか面白いのは紙芝居はコストの関係上からか立絵型から平絵型へと移行していったのに対し、ゲームは平絵型(一画面中のに表示されたスプライトの移動表示等が無い)の表現から立絵型(一画面中に表示中のスプライトが左右上下反転などの動きを表現する)タイプへと移行しつつあることである。この辺はCGという表現方法の制作、及び表示特性とPCのハードウェア性能の向上による部分が大きいと思われる。
 
 以上、今週のメモと戯言でした。時間が無いのにチマチマこういう全く持って意味のない物をメモってはニヤニヤする己を猛省します。ちゃんと寝ろ。
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